すっかりご無沙汰しているこのブログだが、最近の活動を宣伝したい。
実験医学誌の特集の企画を担当させてもらった。(実験医学2019年11月号)
題して「
再定義されるタンパク質の常識」
目次は以下の通りである。
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再定義されるタンパク質の常識〜古典的なセントラルドグマの刷新と未開拓のタンパク質の世界
企画/田口英樹
概論―従来のタンパク質の常識を超えて拡がる未開拓のタンパク質世界【田口英樹】
翻訳途上で機能する新生ポリペプチド鎖【千葉志信,田口英樹】
リボソームプロファイリングによる網羅的翻訳解析の最前線【木村悠介,岩崎信太郎】
質量分析による未開拓プロテオームの探索【松本雅記】
神経変性疾患にかかわるリピート関連非ATG依存性翻訳と低複雑性ドメイン【上山盛夫,永井義隆】
天然変性タンパク質:既知のこと,未知のこと【太田元規,福地佐斗志】
液-液相分離による酵素連続反応【浦 朋人,白木賢太郎】
合理デザインによる新規タンパク質の創出:現状とその可能性【小杉貴洋,古賀理恵,古賀信康】
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私が読者だったら読みたいトピックスに関して研究を展開している方々に原稿を依頼して書いていただいた。タンパク質の新しい常識について幅広く知っていただける内容になったと自負している。
研究室で購読していれば既にお手元に届いている頃だが、まだの方は、私が冒頭に書いた概論はオンラインで無料で読める。
概論―従来のタンパク質の常識を超えて拡がる未開拓のタンパク質世界【田口英樹】
私が考えるタンパク質研究の歴史についての総説(特にタンパク質フォールディングを起点とした内容)にもなっているので、興味ある方はぜひご覧ください。
同誌には、10年近く年に二回、注目論文の解説コラムを執筆してきており、ときおり編集者の方々と意見交換をしてきた。その中で、最近私が考えているタンパク質の見方について披露したら面白がってくれて特集になった、という経緯である。
表紙には、マイコレクションのキューブパズルを使っていただいた。
主にパズルが崩れた状態(タンパク質の変性状態)や絡まった状態(タンパク質凝集体)の写真なので、全部完成した状態(フォールディングした構造)を付けた写真を撮ってみた。
おまけで、キューブパズルでの7量体構造。