シャペロニン的な樽型パズル
 海外出張に行くとネタが増える。9月に大学の用務でスウェーデンに行った際に仕入れたパズルを紹介したい。

 シャペロニン(GroEL)のかたちを表現する言い方にはいろいろある。リング、 かご、ドーナッツ、そして樽(バレル)などであろうか。

4年前にHartlとHorwichがラスカー賞を受賞した理由も
 For discoveries concerning the cell’s protein-folding machinery, exemplified by cage-like structures that convert newly made proteins into their biologically active forms.
ということで、cageすなわち「かご」が使われている(注1)。

今回の出張で立ち寄ったノーベル博物館のミュージアムショップで見つけた(注2)のが樽型パズル(注3)。


 バクテリアやミトコンドリアのシャペロニン(GroELやHsp60)は、このパズルのように真ん中が膨らんでないが、古細菌や真核細胞の細胞質にあるシャペロニン(CCT)はまさしく樽型である。


ただ、内部が空洞になっていない。これだとシャペロニン的ではないなぁ・・・。



ということで、このおもちゃについて「書きます」という約束を果たした。え、まだあるじゃない、という声もあるかもしれない。少しお待ちください。

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注1:以前のブログで「この二人に加えてもう一人入ってほしかった。Lorimerだ」と書いたが、この受賞理由を深読みするとLorimerが入ってない理由が透かし見えることに気付いた。”exemplified by cage-like structures”という部分である。Lorimerの研究はGroELがフォールディングを助けることを明確に示した最初ではあるが、まだ「かご」の内部でフォールディングを助けることまで気付いていなかった。その後、Horwich(と亡くなったSiglerの共同研究)が「かご」状の立体構造を明らかにし、Horwich、Hartlらの研究でかご内部がフォールディングに使われることがわかった(いろいろ異論はあるだろうが)。ということで、「かご」状の部分に重きを置くとLorimerは入らない。

注2:この博物館には一人で観にいったが、中には今回のスウェーデン出張に同行した東工大の方数名が先におり、ぼくがブログでパズルを紹介しているのを知っていて、「こっちに田口さんが好きそうなのがいろいろありますよ」と教えてくれた。
 ついでに言えば、この博物館でノーベル賞メダルチョコを購入し、研究室メンバーにお土産として配った。

注3:樽型のタンパク質でノーベル賞が出る予兆・・・・な訳はないだろう。