突然だが、1月末に本を出版した。
これまでにも専門家向けには共著や編著ということで出版してきた経験はあるが、今回は一般の方々に届けたい内容かつ単著である。ベレ出版の「学んでみると○○学はおもしろい」というシリーズ本の一つとして、編集者からお声がかかり、足かけ3年がかりでこつこつと執筆し、ようやく完成。
自著なのに発行後2ヵ月もしてからこのブログで紹介しているくらいだが、出版社では宣伝もしてくれている。例えば、大学生協の全国版カタログ(2月号)のおすすめ書籍に載っているよ、と教えてもらったときにはびっくりした(が、東工大すずかけ台生協には置いてなかった・・・。大岡山の生協には置いてあったが)。また、とある大手書店では表紙が見えるような売り方で7,8冊陳列してあった(面出し、というらしい)。
以下、宣伝用に書いた文章。
生命科学は生活に密接に関係しています。「生命とは何か」から「人工的に生命は創れるのか」といった最先端の話題までを解説します。
遺伝子、ゲノム解析、病気や薬に関する研究など、生命科学は私たちの生活に密接に関係しています。これからますます発展していく生命科学の知識を持つことは、現代人にとって必須といえるでしょう。本書は、「生命とは何か」を考えることからはじめ、「細胞」や「タンパク質」、「代謝」、「DNA」、生活に大きな影響を与える「健康と病気」、「人工的に生命は創れるのか」といった最先端のテーマまで、丁寧に解説していきます。
ということで、本ブログで紹介してきたタンパク質関連というより、もっと広く生命科学全体を貫く入門書となっている。目次は以下の通り。
第1章 「生きる」ってどういうことだろう?
第2章 細胞の中を覗いてみよう
第3章 生命を支えるタンパク質の世界
第4章 細胞はエネルギーをどう生み出すか?
第5章 生命の設計図DNA
第6章 健康と病気の生命科学
第7章 生命は「創れる」のか?
ちょっと読んでみたい方には、ネットで一部だけ「立ち読み」ができるのでどうぞ(Amazonの「なか見!検索」→
こちら)。
文章のトーンは通常の教科書的というより、このブログのような感じだ(ただし「ですます」調)。全体としては高校の生物の教科書レベルよりやさしめだと思うが、部分的にやたらと細かいかもしれない。例えば、タンパク質のフォールディングは妙に詳しい・・・。
本ブログを読んでいる生命科学に関わる方々にはほとんどが常識として知っている内容だと思われるが(後半やコラムは最新のトピックスもあり)、理系でないご家族などに自分たち研究者のやっていることを理解してほしい、と思っているような場合には、ぜひご推薦いただければ幸いである。
発売後に何人かの方(主に文系)から感想などいただいた。
・コラムが面白かった。
・ 第6章に出てくる手塚治虫の「火の鳥」の話しとの関連がよい。
・研究者しか知らないちょっとした小ネタが入手できた。
・後半は難しく読み進められなかった・・・。
などなど。
どうです、読んでみたくなったでしょう?(笑)
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