すっかりこのブログの更新をさぼってしまっているが、生命科学に興味のある一般の方々にもお届けできそうな書籍を編集し、7月に羊土社から出版されたので紹介したい。
転写・翻訳の驚きの新機構と再定義されるDNA・RNA・タンパク質の世界
田口英樹,小林武彦,稲田利文/編
生命のセントラルドグマというと、DNA→RNA→蛋白質、という情報の流れで、生命科学を少しでも学んだことがある人なら誰でも知っている基本中の基本の概念である。今さら、と思われるかもしれないが、セントラルドグマの周辺でびっくりするような面白いことが続々とわかってきている現状を専門家に解説してもらうという実験医学増刊号である。
羊土社さんからこの増刊号の話しをいただいたきっかけの一つは、2019年に私が編集した実験医学の特集「再定義されるタンパク質の常識」が好評だったということだ。編集者さんが言うには、ふだんの読者層よりも幅広い層に手に取っていただけたそうで、とりまとめた私としては嬉しい限りである。羊土社さんとしては、タンパク質だけでなく、DNAやRNAなどを含めたセントラルドグマで増刊号をということで話しをもらった。とは言え、私はタンパク質周辺(や、最近は翻訳周辺)の新常識なら山ほど紹介できるが、DNA、RNA、複製、転写などはからきし弱い。そこで、私が明るくない分野についてどなたか編者を加えてくれるならぜひ引き受けましょう、ということで、小林武彦さんや稲田利文さんにも編集に加わっていただいた経緯である。結果的に、お二人の先生方に加わってもらい、素晴らしいコンテンツになったと自負している。
この記事を読んで気になった方は、羊土社ウェブで概論部分を「立ち読み」できるので(Amazonの試し読みもあり)、ぜひお読みいただければ幸いである(もちろん、その上でぜひ購入を!)。
セントラルドグマの周辺が最近どうなっているの?ということを知りたい方々だけでなく、生物系の授業や講義ネタを探している高校などの先生方にもオススメです。
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