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伊藤遥介、茶谷悠平らの成果がNature Communicationsに掲載されました

細胞内のあらゆるタンパク質はセントラルドグマに従ってリボソームで合成されます。つまり、リボソームはどのようなアミノ酸配列でも翻訳する必要があるわけですが、私たち以前、負電荷に富んだ新生ポリペプチド鎖が自らを翻訳しているリボソームを不安定化させて、一部のリボソームが翻訳を途中で終了することを大腸菌で見つけました(Intrinsic Ribosome Destabilization : IRD, 内因性リボソーム不安定化現象と命名)(過去の東工大ニュース参照、2017年Mol Cell2021年EMBO J.)。今回の論文では、出芽酵母やヒトなど真核生物でも、このIRDによる翻訳途中終了が普遍的に起こりうることを見出しました。さらに、この翻訳途中終了のリスクは翻訳初期に起こりやすいため、タンパク質のN末端領域ではアスパラギン酸やグルタミン酸に富んだ配列が避けられる傾向にあることもわかりました。

本成果の概要は東工大ニュースをご覧ください。
→ 東工大ニュース「タンパク質合成過程での中断リスク「リボソームの不安定化」は、原核生物と同様に真核生物でも見られることを発見」

Nascent peptide-induced translation discontinuation in eukaryotes impacts biased amino acid usage in proteomes.
Ito Y, Chadani Y, Niwa T, Yamakawa A, Machida K, Imataka H, Taguchi H.
Nat Commun. 2022 Dec 2;13(1):7451. doi: 10.1038/s41467-022-35156-x.
PMID: 36460666