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茶谷悠平らの成果がCell Reportsに掲載されました。

細胞内のあらゆるタンパク質はリボソームで合成されます。リボソームはどのようなアミノ酸配列でも翻訳する必要があるわけですが、私たち以前、負電荷に富んだ新生ポリペプチド鎖が自らを翻訳しているリボソームを不安定化させて、タンパク質合成を途中で終了する場合があることを見つけました(Intrinsic Ribosome Destabilization : IRD, 内因性リボソーム不安定化現象と命名)。しかし、なぜ合成が中断されるのか、その分子メカニズムはこれまで不明でした。
本論文では、試験管内での再構成実験などから、合成中断は通常とは異なるメカニズムで新生タンパク質がリボソームから切り離されるか、合成中には作用しないはずのリボソームのリサイクル経路の働きによって引き起こされていることが明らかとなりました。本研究は、岡山大学の茶谷悠平准教授らとの共同研究の成果です。

本成果の概要は東工大ニュースをご覧ください。
→ 東工大ニュース「リボソームがタンパク質の合成を中断する仕組みを解明!」

論文情報
掲載誌 :
Cell Reports
論文タイトル :
Mechanistic dissection of premature translation termination induced by acidic residues-enriched nascent peptide
著者 :
Yuhei Chadani, Takashi Kanamori, Tatsuya Niwa, Kazuya Ichihara, Keiichi I. Nakayama, Akinobu Matsumoto, and Hideki Taguchi
DOI :
10.1016/j.celrep.2023.113569 (フリーアクセス)